いい写真を撮るための最短ルート。
最近、Facebookのいくつかの写真コミュニティに入って、写真を投稿したり、他の人の写真を観たりしています。
僕はスナップショットが好きなんですが、昨今の情勢でなかなか外で撮ることができず、なんだか庭先の花を撮ったりして気を紛らわせていて、その花の写真をアップすると結構な「いいね!」が付くんですね。
で、以前撮ったスナップなんかを上げてみると、花の写真ほどは「いいね!」が付かない。
自分なりに自信のあるショットだと、少し傷ついたりします(笑)
あと、風景写真も多かったりして、アップされている写真のカテゴリとしては、花と風景でほぼ80%くらいを占める感じです。
もちろん、アマチュアの集まりですし何を撮ってもいいわけですが、花と風景が大部分を占めているということには「やっぱりなぁ」という感じを受けました。
これは持論というか個人的な感覚なんですが、日本のカメラユーザーはカメラやレンズに一義的な興味や関心を持つ人が多いと思います。
なので、あえて「フォトグラファー」と言わず「カメラユーザー」と言ったんですが、カメラユーザーはカメラやレンズ自体が好きで、撮影自体もカメラのスペックや機能を駆使してどう撮るかということがメインに来ているようです。
だから、写真を撮る方向性が機械の方に向いているんだと思います。
そうなると、優れた機材はどれか、ということに気が向いてしまっているので、優れた写真を鑑賞する機会があまりないんじゃないか、と思うんですね。
優れた写真を見る機会が少ないと、カメラユーザーの脳内にある「美しい写真」のイメージは、やっぱり駅で見るポスターや絵葉書に載っている風景だったり、一番イメージとして残りやすい花だったりして、それでこのようなカテゴリーの写真を撮っていったり人気があったりするんじゃないかという気がしています。
事実、こういうSNSのコミュニティ(特にカメラメーカーやミラーレスなど機種を指定したコミュニティ)では、写真そのものの話題よりも機材のことや撮影テクニックの話題が多く見受けられます。
上に載せた写真なんかはいつものGRでノーファインダーでさっと撮っていますが、スナップショットでは撮影テクニック云々を言っている間にチャンスはどんどん目の前から過ぎ去っていきます。
撮影テクニックは知っておいて損はないのでしょうが、テクニックを駆使してその辺にあるような一枚を撮るよりは(失礼!)、自分の感性を前面に出した個性的な一枚を撮る方がずっと素敵な作品が撮れることは間違いありません。
そんな中でも、とても個性的で勉強になる作品を多数アップされている方がおられます。
どうやらライカ社のLFIの会員にもなっておられる様子で、一枚一枚の完成度の高さはハイアマチュアのレベルです。
基本的にその方はスナップショットがメインなので、僕の心にも刺さる部分が大きいのかもしれませんが、「どうやったらこんな瞬間を撮れるんだろう」と羨望の眼差しで拝見したりしていますので、これからも楽しみにその方の作品を拝見させて頂こうと思っています。
僕の好きなフォトグラファーの一人である森山大道氏はこんなことを言っています。
もうずっとコンパクトカメラを使ってるけど、でもそれがなくても、撮りたくなったら、どんなカメラでもいいから目のまえにあるカメラで撮ります。たとえそれが「写ルンです」でもポラロイドでも大型カメラでも。
これでなくてはなんてことはまったくないです。
写真は機材じゃなくて、撮り手のモチベーションなんですね。
けだし名言だと思います。
そんな森山大道氏が愛用しているカメラの一つがRICOH GR。
森山大道はこう言っています。
GRを使う一番のモーメントは、パッと手に馴染むのが体感できるところ。
ファーストインプレッションのようなものでパッとくるものがある。
もう50年以上ストリートスナップを撮っているが、色々使った中でGRシリーズがストリートスナップに最も適している。
彼はフィルム時代のGR1から愛用しているようで、デジタルになったGRも使い続けているそうです。
機材の優劣や性能を云々するよりも、自分の使いやすいカメラを使ってたくさん写真を撮ること。
そのためにはまず優れた作品を多く鑑賞して自分なりの豊かなイメージを持っておくこと。
いい写真を撮るにはこれが最短ルートだと思います。