ファインダーは追憶の小窓

写真が好き。だれでも気になる小さなことや奥深いこと。そんなことを皆さんと一緒に考えて写真について深めてみたいと思います。

ジャスピン以外の写真はダメな写真?

僕はスナップショットが大好きです。

写真が好きになったころは、江ノ島やら松本城やらに行って風景をよく撮りに行きましたが、結局は絵ハガキだったりポスターだったりで見たことのあるような写真ばかり撮ってしまっていました。

それはそれで撮影の基本を学んだのでいい経験だったんですが、なんかオリジナリティが無い。

 なんだかなぁとその後、街でぶらぶら撮っているとこれが結構いい感じに。

街で撮っていると、自然と人がフレーミングされますよね。

人が入っている写真っていうのが、なんだかドラマチックになる感じがして、それ以来スナップショットの魅力にハマっていったんですね。

でも、街でじっくりピント合わせしているとき、一度だけですが「おい、なに撮ってるんだ」と絡まれたことがあります。

その時は本当に誰かを撮っていた訳ではなかったので、説明してことは収まりましたが、それがきっかけでノーファインダーで撮ることが出てきました。

下の写真は、表参道でたまたま見かけた外国人の人を歩きながらノーファインダーで撮ったものです。

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表参道にて

ちょうどいい感じにフレーミングされてよかったんですが、手ぶれ補正のレンズを使っていたにもかかわらず手ブレしています。 

でも、このブレ感が自分としてはドラマ性をさらに醸し出すテイストになっていると思っていて、この一枚はお気に入りになりました。

 

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新宿にて

この写真は、西新宿で壁の落書きを撮ろうとしてカメラを構えていたところに自転車の男性が通りかかったので、そのままタイミングを測ってシャッターを切ったものです。

たしかライカか何かのレンジファインダーカメラで撮っていたので、横から自転車が来るのが分かったんだと思いますが、男性が完全にブレていて、これも意外性のある一枚になったなと思っています。

 

僕の好きなフォトグラファーの一人である森山大道氏の作品は「アレ・ブレ・ボケ」という手法が多く使われています。

「アレ・ブレ・ボケ」はそもそもプロヴォークという1960年代の芸術ムーブメントで発生したもので、写真家では森山大道や中原卓馬などがこの動きをリードしていました。

 

⭐︎Lomographyでもアレ・ブレ・ボケをテーマにしたコンペティションを実施していました。

www.lomography.jp

 

アレ・ブレ・ボケの魅力は一言では語れませんし、観る方によって捉え方が様々だと思いますから、ここで僕が薄い知識で説明するつもりはありません。

ただ、僕はこのようなアプローチは写真表現として、力強く、余韻があり、情緒も感じられる素敵な手法だと思っていますので、自分も共感しています。

 

 写真を撮る時、昔から「ピント合わせ」って基本のキとして教わってきました。

 僕もやっぱり写真を撮る時、基本的にはピント合わせを無意識のうちにきちんと行っています。

それに今では高画素のデジタルカメラが多数発売されていて、高性能レンズとの組み合わせで高画質の写真を撮ることが優先されるような風潮がありますよね。

でも、ブレていたりボケていたりという作品でも、観る側の心を掴むものが多いという反面的な部分も、写真表現として知っておくといいと思うんですね。

でも、ただブレたりボケたりしているだけではダメですよね。

やっぱりモチーフがしっかりと表現されていることが基本だと思います。

 

出会った刹那の場面を自分のタイミングでカメラに納める。

そのダイレクトな感性の中から生まれた一枚には、おのずと力が内包されている。

そんなことを感じながら、街で気になったモチーフを直感で撮っている日々です。

 

Lomo LC-A+というカメラは直感で撮るタイプなので、自然とボケたりブレたりと楽しい作品を撮ることのできるオススメな一台です。