モノ撮りのときは単焦点レンズ
レンズっていろいろありますよね。
写真を始めて最初の頃は、一眼カメラを買ったとしてもキットレンズのズームレンズだけで撮っていくことが多いと思います。
キットでカメラに付いているズームレンズもなかなかの性能を持っているものが多くて、例えばフジノン XF18-55mmF2.8-4 R LM OISなどはFUJIFILMのカメラにキットレンズとしても販売されていますが、広角端の絞りの開放値がF2.8であったりレンズの描写力が高かったりで実は僕も愛用しているレンズのひとつです。
まぁ、このレンズは単体での希望小売価格は81,000円ですから、キットレンズとしては結構高額の部類に入りますので基本的に高性能レンズであると言えますね。
話を戻しますが、そうやってズームレンズでいろいろと撮っていると、基本的には便利ではあるんですけれど、撮影スキルや知識が上がってくるとズームレンズだけでは物足りなくなってくることがあります。
ズームレンズの一番のメリットは、レンズ交換をしなくても広角や望遠の撮影ができることです。
ズーミングができるということは、撮影者がその場を動かなくてもある程度被写体を大きく撮ったり小さく撮ったりできる。
それは構図を整えたり、被写体を捉えるのにとっても便利ですよね。
でも、ズームレンズの一番の不利な点は「明るくない」ということです。
一般的な普及版の標準ズームレンズだとF値は広角端でF4で望遠端だとF5.6が開放値になります。
最近のデジタルカメラではかなりの高感度撮影が可能ですので、これくらいのF値でも基本的に撮影はできます。(カメラによっては高感度撮影の時には画像が荒くなることがあります)
それでは、なぜズームレンズのF値が問題になるのかというと、写真を撮り進めていくと必ず「背景をボカした写真を撮りたい」という欲求が出てくるのですが、暗いズームレンズだと盛大なボケが出てこないんですね。
背景をボカした写真を撮るためには、
①開放F値の低いレンズを使う(F1.8以下がおすすめ)
②被写体との距離を最短距離で撮りつつ、被写体と背景の距離をできるだけ取る。
③広角レンズよりも望遠レンズを使う
というような方法があります。(この3つの方法を組み合わせるとむちゃくちゃボケます)
この中で、一番基本的なことは明るいレンズ(開放F値が低いレンズ)を使うことです。
で、このようなF値の低いレンズというと、やはりズームレンズでそういうモデルはとても高価ですし、いっそのこと単焦点レンズを買った方が安くて手っ取り早いということになります。
特にSNSにフードやアイテムなどの写真をアップされている方は、背景をボカした写真を撮りたいと思っておられる方も多いと思います。
では、単焦点レンズで物撮りする時のおすすめはどういうのでしょうか?
物撮りに一番適しているのはマクロレンズです。
マクロレンスというのは最短撮影距離(ワーキングディスタンス)が短いレンズです。
なので接写に最適なレンズで、物を撮るときに被写体にかなり寄って撮ることができます。
どのメーカーのマクロレンズでも開放F値はF2.8ですが、接写することで背景が一層ボケてきます。
このため、マクロレンズで物撮りをすると背景が簡単にボカすことができますから、いろんな意味で最適だと思います。
各社からマクロレンズが発売されていますので、ご自分のカメラのマウントに合うモデルを探してみてください。
【キヤノン用】
【ニコン用】
【汎用:マウントを選べます】
ただ、マクロレンズも標準的なものでも4〜5万円くらいとそこそこのお値段がします。
もちろん高性能なマクロレンズだと10万円オーバーにもなります。
もっとお手頃にボカした物撮りができればなぁという方には、キヤノンだとEF 50mm F1.8 STM という廉価版レンズがあります。
これは1万円少々で買えるので、ネットでは「撒き餌レンズ」とも呼ばれています。
要するに、このレンズを使ってもらって単焦点レンズの良さを分かってもらい、ここから他のレンズも買ってもらおう、ステップアップしてもらおうという意図があるんじゃないかということなんですね。
でも、このレンズ、安いわりにはなかなかの描写力で、僕も以前このレンズを使っていたことがあります。
このレンズに相当するレンズは他のメーカーには無く、ニコンでは同等のモデルは倍くらいのお値段がしますから、これはキヤノンユーザーのメリットだと思います。
ブログやYouTube、インスタグラムなどでもっときれいな写真をあげたい、という方であれば、ぜひこのレンズをお勧めします。
マクロレンズほど寄れませんが、工夫すれば写真そのものはマクロレンズで撮るのと同じような出来映えになります。
このレンズでまず練習してから、さらにレベルアップしたいという方はマクロレンズに買い替えてもいいと思います。
写真は機材では決まらないというのが持論ですが、撮影に適した機材を使うことは別です。
ぜひ自分の撮影スタイルに合ったカメラやレンズを見つけてください。