ファインダーは追憶の小窓

写真が好き。だれでも気になる小さなことや奥深いこと。そんなことを皆さんと一緒に考えて写真について深めてみたいと思います。

だれもが写真を美しく撮れる時代。

ある写真仲間との会話。「今のカメラはフルオートでだれでもそれなりの写真が撮れるよねぇ」「そうそう、露出なんて知らなくても全然関係ないもんねー」「コンデジなんかじゃ、ニッコリ笑ったタイミングで自動的にシャッター切れたりするもん。もう撮影者な…

貴婦人と呼ばれたカメラ(CONTESSA35)

CONTESSA35という古いカメラが手元にあります。 このカメラ、ツァイス・イコン製で1950年位発売されたものです。 いわゆる蛇腹カメラで、レンズはテッサー45mmF2.8とツァイスが誇るレンズだけあってとてもシャープに写ります。 それに、ドレイカイル式…

富士フィルムの気概

今日、富士フィルムのデジタルカメラに関する開発者のインタビュー記事が出ていました。 ちょっと感激したのでブログでも紹介したいと思います。 ご興味のある方はぜひご一読ください。 開発者インタビュー:フィルム写真に徹底的にこだわったデジタル。富士…

SNSや絵葉書で見たような写真が撮りたいですか?

写真に興味を持った方は、いろんなキレイな写真を撮りたくなるのが常です。 どんな写真が撮りたいか、ジャンルはいろいろあると思います。 SNSが一般的にあっている今では、まずはフードをきれいに撮りたいという方も多いでしょう。 インスタグラムやフェイ…

改めて、写真は機材じゃあない。

やはり写真は機材ではないと痛感する今日この頃。 カメラやレンズがいかに精巧なものでも、ウデが無ければ宝の持ち腐れ。やっぱりイメージ通りに撮れていないとガッカリしますね。 最近は「これは」と思うシーンではフィルムでも露出やアングルを微妙に変え…

素晴らしいモノクロ写真の世界

誰だったか忘れましたが、有名な日本のフォトグラファーが「モノクロームは無限の色彩を感じさせる」というようなことを言っていました。 僕はそこそこのいい歳なので、自分の幼い頃の写真はモノクロでした。 でも、フジカラーやサクラカラーなどのカラーネ…

思い出

今でもたまに思い出す。父がどこからか一眼レフを持ち出してきた時のことだ。あれは小学生の低学年の頃だったと思う。記憶は定かではないが、オリンパスかペンタックスだったはずだ。すごいものを見せてもらった高揚感で自分にも撮らせてほしいとせがみ、父…

フィルムカメラのススメ

僕は、以前から結構いろんな方に「フィルム写真おもしろいし、露出計も無い古いマニュアルカメラだと撮影技術の勉強にもなるからやってみたら?」とお勧めしています。完全にデジタルが主流な今、フィルム写真などという不便なものを嗜むなんて時代錯誤的感…

デジタルかフィルムか。

今回はデジタルとフィルムについて僕なりの考えをつらつらとお話ししたいと思います。 皆さんご存知の通り、写真はもともとフィルムで撮られていました。 撮ったフィルムを現像し、それをプリントして写真にするという時代が長く続きましたが、この20年く…

フィルムとプリント

昨日、ある本を読んでいて眼に留まった一節。「ネガは楽譜であり、プリントは演奏である」これはアンセル・アダムスの言葉。けだし名言だ。 春(Rolleiflex2.8E) 【買い回りetcでポイント最大23倍 〜5/18 1:59まで】FUJIFILM[フジフイルム] PRO400H 120 12…

簡単に上手に見える構図の取り方。

前回、カメラはフルオートになって露出の失敗がほとんど無くなったうえ、手ぶれ補正まで強力になってきたので、撮影者が腕を振るえるのは構図だけとなったかもしれないということを書きました。 まぁ、これは極端な話であって、一眼レフやミラーレスの本格的…

寄れるレンズ。

ずいぶん以前、あるデジタルカメラを買うにあたって、ネットでいろいろとレビュー記事なんかを調べていて気になったことが。すると「Leica X1に搭載されているエルマリート24mmF2.8は寄れないのがタマにキズ」というコメントが複数の記事に。確かにこのレ…

ライカ M3

渋谷にて ライカはライカ。 機材にあまりこだわりがなくなってきた今でも、ライカは特別なカメラの一つです。 昔は「ライカ一台、家一軒」と言われたそうで、相当高価なカメラでした。 そんな超高価なカメラが、いまでは中古で僕のような普通のおじさんでも…

散歩写真

僕の写真は、ほぼすべて“散歩写真”です。カッコよく言うとストリートスナップかもしれませんが、基本的には“散歩写真”だと思っています。以前は、たまには三脚なんか持ち出して夕陽の落ちる江の島を狙いに行ったり、平塚のさる丘の上から陽の落ちた湘南海岸…

独り言(その2:フルサイズ)

つれづれに思うことの続きです。今回は、デジタルカメラで言うところの“フルサイズ”について感じていること。ただ、僕はデジタルな技術論や知識についてはほとんど持ち合わせていませんので、別のアプローチから“フルサイズ”について考えていることを独り言…

独り言(玉ボケ写真)

なんだかなぁ…と思っていることをつれづれに。。。 いわゆる「玉ボケ」写真について。自分も玉ボケ写真を撮らないとは言いませんが、中にはそんなのばかりというパターンもあります。それも年間通して…以前から申し上げていますが、「玉ボケ」なんて開放絞り…

単焦点レンズでの撮影のキモ。

ずいぶん以前ですが、ユニクロのCMでプラウベル・マキナを首からぶら下げた石川直樹氏がこんなこと言っていたのを覚えています。 『僕は蛇腹の古いカメラしか持ってないし、 それしか持っていかない。 寄った写真が撮りたかったら歩いて寄るし、 引いた写真が…

Planar(プラナー)というレンズ。

Planarというレンズをお聞きになったことがある方も多いかと思いますが、このレンズは特に日本では最も人気の高いレンズの一つだと思います。そこで、受け売りな部分もありますがPlanarについて少々お話してみたいと思います。そもそもCarl Zeiss社でPlanar…

ある報道写真家について

ピューリッツァー賞受賞後に自殺したケビン・カーターという報道カメラマンについて。 彼は飢餓地帯であったスーダンで撮った「ハゲワシと少女」という写真でピューリッツァー賞を受賞したのですが、この写真を巡って「報道か人命か」という論争が巻き起こり…

ピント合わせ。

ピント合わせって、皆さんどうされてますか? 「そんなのカメラが自動でしてくれるから意識なんてしてないよ」という方も多いかもしれません。 たしかに、今のカメラはオートフォーカス、それもかなり精度が高くなっていますので、昔のようにピントがずれる…

タテ構図かヨコ構図か。

写真を撮るとき、ヨコで撮るかタテで撮るか、考える時ってありませんか? 最近はスマートフォンで撮る方も多くなっているので、タテで撮る人がかなり多いんじゃないかと思いますが、通常のカメラではそのまま撮ればヨコが基本になりますよね。 なので、特に…

フォトグラファー語録 その2

再び、書籍やネットなどから拾い集めたフォトグラファーの語録を紹介します。前回に引き続き、僕の主観で集めた言葉なので、その点ご容赦ください。※前回分をご覧になりたい方は下のリンクをご覧ください。 hirosan0902.hatenadiary.jp 「最高の写真、いつま…

1/500

1/125秒。 それは写真家エリオット・アーウィットが最も愛するシャッタースピード。では、自分は・・・振り返ると、愛しているわけではありませんが1/500秒をもっともよく使っています。理由は単純で、レンズシャッター機とISO400フィルムを多用しているからに…

レンジファインダーという選択。

最近はカメラにあまりこだわりがなくなったので以前に書いたようにiPhone Xで写真を撮ることが多くなりましたが、以前は基本的にはコンパクトカメラかレンジファインダーカメラばかり持って出ていたなぁという気がします。 気がするだけでなく、実際そうだっ…

「切り取り」について思うこと

「いい切り取りですね」僕の写真を見た方から、こういうお褒めのコメントを頂くことがあります。確かに写真は眼の前の事象を“切り取る”ものです。が、“切り取る”というのは一体どういう行為なんでしょうか?情景の一部を単に切り取っているに過ぎないのであ…

明るいレンズ?

「明るいレンズ」とよく言いますが、これはだいたいF2.8とかF2よりもF値が小さい大口径レンズのことを指しますね。確かにF値が小さいほど光量が確保されるので「明るいレンズ」とは言い得て妙なんですが、昔は大口径レンズのことを「ハイスピードレンズ」と…

写真とカメラとレンズと。

巷では新型のカメラやレンズが発表されると、「解像度がどうの」とか「高感度がああだ」とか「周辺光量落ちがうんぬん」だとか果ては僕には理解不能な電子専門用語で「○□△×回路が▽◎■なので、このセンサーは※▲☆なんです」などという込み入ったスペック論議な…

「ボケ」は必要?

「一眼レフやミラーレスカメラが欲しい!」 という方がなぜ本格的なカメラを買いたいと思うのか、その欲求の最大の要素は「ボケ」のある写真が撮れることもあると思います。 ボケの本質は、ピンボケの部分ということなんですが、光源などが丸ボケしたり被写…

敬愛する写真家より。

僕の大好きなフォトグラファーの一人であるエルンスト・ハース。1993年に日本で開催された「エルンスト・ハース展」の作品目録を入手しました。もちろん、彼の作品は素晴らしいのですが、その中に彼の語録もいくつか作品と同時に掲載されていたので、それを…

フォトグラファー語録

古今東西のフォトグラファーたちの語録の一部をピックアップしてみました。共感されるものがあるかもしれませんし、異論のあるものがあるかもしれません。非常に有名な名言も含まれていますので、もしご興味があればお目通しください。「写真は動作中の諸要…